ソコカラナニガミエル?

と松本大洋が描く多くの作品は私たちにこう問いかけてくる。
はっきり言うと私の答えは、ナニモミエナイ。
正しさも、幸せも、目指すべき理想の世界も見えない。見えないというより見るべき場所も、見方もわからない。
今回ルサンチカが挑戦するのは松本大洋が描くユートピアを題材に、私たちが目指すことができる世界、誰のためでもない私たちにとっての楽園を定義し、本作を上演する。
「What’s the purpose of your visit ?」

松本 大洋

漫画家。1967年東京都生まれ。
1987年に月刊アフタヌーン(講談社)の四季賞に「STRAIGHT」が入選しデビュー。
『鉄コン筋クリート』、『ピンポン』、『竹光侍』などの人気作を連載。
『Sunny』は、第61回小学館漫画賞の一般向け部門、
第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞受賞。
今作の上演戯曲『メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス』は
2000年に劇団黒テントに寄稿した戯曲作品。
第45回岸田國士戯曲賞候補。



ルサンチカ

河井朗が主宰、演出を行う演劇ユニットである。
特定の劇作家はおらず、扱うテキストは古典から近現代の戯曲、小説と多岐にわたる。
両手ですくいとった時に、必ずこぼれ落ちる側が存在することを肯定し、「物語」を使って今と今後ををどう過ごしていくかを観客とともに考える作品を上演する。
近年の作品に『楽屋』(作:清水邦夫/京都府立文化芸術会館)、『春のめざめ』(作:フランク・ヴェデキント/京都芸術劇場春秋座)、『霧笛』(作:レイ・ブラ ッドベリ/ARTZONE)がある。
今回は松本大洋の作品群に表れるユートピア性と、山、花、動物、アニミズムなどの彼が描くモチーフを現代の我々の生活に当てはめ、
見えるものを見ないという楽園への逃避を肯定し、都市生活の荒み、到達不可能な楽園を夢見る世界として展開する。